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お知らせ
【高校】 令和元年度 高校卒業式が挙行されました
桜の開花宣言を受けた3月15日、高校卒業式が粛々と執り行なわれました。
今年は社会情勢を鑑み、縮小といった形になりましたが、担任より万感の思いで呼名されると、静かな体育館に一人一人の返事が響きわたりました。
「卒業の言葉」では過ごした学園生活を振り返り、沢山のことを学んだことが語られました。そして、そこには多くの人の支えがあったからこその感謝の言葉が述べられました。
3年、6年と過ごした日々を胸に、前を向いて大きく羽ばたいてくれることを願っています。
ご卒業、おめでとうございます。
「卒業の言葉」
暖かい春の陽の光が降り注ぎ、桜の蕾も膨らみ始めている今日、私たち181人は佼成学園高等学校を卒業します。本日は私たちのため、このような素晴らしい式を開いていただきありがとうございます。
私が佼成学園に入学した6年前、初めてのホームルームでは緊張に手が震え、配られた校章を制服につけることすら、うまくいかなかったことを今でも覚えています。入学当初はこれから始まる生活に不安さえ抱えていましたが、時間が経つにつれ、クラスメイトや信頼できる先生方の支えのおかげで、学校行事、部活動、勉学、すべてにおいて充実した時間を生きることができました。そして、そのような学園生活のなか、文化祭や部活動などにおいて、いつも優しくリードしてくれる高校生の先輩たちの姿が、私にはとてもまぶしく見えるようになっていきました。
そんな漠然とした憧れを抱きながら、私は高校入学式を迎え新たな仲間たちとともに学園生活をスタートさせました。最初は少し壁を感じていた高校入学生とも、オリエンテーション、校外授業や球技大会などの学校行事を通して、いつの間にか馴染むことができるようになりました。ほとんどの生徒が佼成学園の校訓にある「行学二道」の精神のもと、部活動や勉学に積極的に取り組むことができました。学校行事においては、私たちは、佼成学園で初めてハワイへの修学旅行、ニュージーランドへのターム留学を経験しました。修学旅行では、現地の大学生との交流や平和学習、異文化体験をすることができ、世界を肌で実感することができました。
私は高校1年から生徒会に入り文化祭をはじめとするさまざまな学校行事や部活動の応援にかかわってきました。高校生活初めての文化祭では、先輩方と一緒に運営に携わり、文化祭成功に向けて努力しました。経験の浅かった私でしたが、先輩方の的確な指示のおかげで、安心して働くことができ、その年の文化祭の成功に貢献することができました。私はこの経験を通じて先輩方の情熱、文化祭に懸ける想いを目の当たりにし、来年は自分たちが先輩たちの想いを引き継ぎ、過去最高の文化祭を創り上げようと決意しました。そして高校2年になり、私は生徒会長として文化祭実行委員長と生徒会役員とともに文化祭を成功させるべく準備を進めていきました。準備当初は前年度を超えたいというぼんやりとしたイメージしかわかず、また伝統を引き継いでいくことの難しさに直面し、頭がいっぱいになって手も足も出ない状況が続いていました。しかしそのようななか、私を支えてくれたのは、やはり信頼できる仲間たちと先生方でした。放課後の教室に残って「Fes as life」というスローガンや文化祭の目標を考え、その目標を達成するために何をすべきか皆で徹底的に話し合いを行いました。お互いを鼓舞しながら仕事を分担することで気持ちに少し余裕が生まれ出しました。私たち文化祭実行委員、生徒会一同は、文化祭を盛り上げるためにさまざまな企画を用意しました。この年のメイン企画においては、構成がなかなか定まらず先生方にも付き合ってもらいながら文化祭前日の夜遅くまで話し合いを重ねました。多くの仲間たちがクタクタになっているのにもかかわらず、決して愚痴をこぼさずに会場の設営からリハーサルまで残ってくれました。本番前日の夜8時を過ぎた第2多目的ホールに生徒会と文化祭実行委員の仲間たち、学年の先生までもが集まってくれた光景は今でも忘れることができません。そして、無事にメイン企画をやり遂げ、2日間行われた文化祭が幕を閉じました。グランドフィナーレ終了後、目標を達成したことを直接文化祭実行委員長に伝え、その場で握手を交わしてお互いを讃え合いました。辛かったこと、投げ出したくなったこともありましたが、最後まで全力でやりきることができました。
生徒会では、野球部、アメリカンフットボール部の応援、吹奏楽部による定期演奏会の手伝いに参加することが多くあり、仲間たちの勇姿を間近で見ることができました。私は公式戦での勝利、または定期演奏会の成功に向けて全身全霊で挑戦し続けている彼らの姿にとても感動し、毎回大きな力をもらっていました。そのなかで私が特に印象に残っているのは昨年の12月22日に行われたクリスマスボウルです。高校アメフト部は無敗記録を守り抜き、勝ち続けなければならないというプレッシャーを抱えながら、試合に臨んでいました。当日の応援は、私たち高校3年生は全員参加ではなく希望制でしたが、受験を控えている仲間も応援に駆けつけ、大勢の生徒たちが試合会場である横浜スタジアムに集まりました。小雨が降りしきるなか、佼成学園の応援スタンドからは全力でプレーをしている選手たちに対して試合終了まで熱い声援が送り続けられました。試合は惜しくも敗れてしまいましたが、先輩の代から続いてきた無敗記録を必死に守ろうとし、重圧に屈することなく攻めの姿勢を貫いた仲間たちの姿は本当にカッコよく、とても誇りに思いました。
非常に多くの経験をさせてもらった生徒会活動を通して、改めて学んだことがあります。それは、私たちの周りには支えてくれる人が必ずいるということです。困ったときにはいつも助けてくれ、部活動の場では感動を与えてくれる仲間たち、生徒を第一に考えてくれ、いつも私たちを助けてくださる先生方、学校生活を快適に過ごすことができるように私たちの見えないところで動いてくださっている事務職員の方々。本当にありがとうございました。ここにいる卒業生全員が、佼成学園での学校生活を「本当に最高だった」と、胸を張って言えると思います。しかしながら、これらの方々以外にも私たちが最もお世話になっている人がいるということを忘れてはいけません。それは私たちのことを今まで大切に育ててくれた両親です。私にとっても両親はいつでも精神的な支えでした。文化祭が迫り、毎日プレッシャーに押しつぶされそうになりながら作業をしているとき、私の不安をすぐに察知し、「大丈夫? 無理してない?」と何気ないひとことをかけてくれました。この言葉に助けられた私は、気持ちが楽になり、文化祭本番まで頑張ることができました。どんなに忙しい朝でも必ず玄関まで送りだしてくれ、常に私の味方となって惜しみない愛情を注いでくれた両親には、この場をお借りして感謝の言葉を言わせてください。ありがとうございました。また、新型コロナウィルスの影響を受け、卒業式が中止になる学校もあるなか、私たち高校3年生は在校生不在という形ではありますが、こうして卒業式をあげることができています。きっと学校関係者の方々の力無くしては、この式を迎えることはできなかったことだと思います。卒業生を代表して心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
私は6年間の学園生活を通して、この先常に自分に言い聞かせていきたい3つのことがあります。
1つは、「何事にも準備を絶対に怠らないこと」
2つ目は、「1人で絶対に悩みを抱え込まないこと」
3つ目は、「感謝の気持ちを絶対に忘れないこと」です。
この3つはすべて自分の貴重な経験からなるものです。
文化祭での運営を経験したからわかる準備をすることの大切さ。1人で抱え込もうとしてしまい、つらい思いをしたからこそわかる悩みを吐き出すことの大切さ。多くの人に支えられ、助けてもらった経験をしたからわかる感謝の気持ちを持つことの大切さ。私は、これから先もこの3つのことを決して忘れることなく、生きていくことを誓います。
今日から私たちはそれぞれの道に進んでいくことになります。この先、挫折を味わうこと、さまざまな困難に直面することもあるかもしれません。しかし、何も恐れることはありません。なぜなら、私たちには、佼成学園男子校で出会ったたくさんの仲間がいるからです。教室のなかでときにふざけ合い、ときに高め合った友人たちとの日常が、私たち一人ひとりをとても太く、強い絆で結びつけてくれています。佼成学園でのすべての出会いに感謝し、これからも、しっかりと前を向いて力強く邁進していきます。
最後になりましたが、学園長先生をはじめ諸先生方のご健勝と母校佼成学園の更なる発展を祈念し、卒業の言葉とさせていただきます。
令和2年 3月15日